所信・方針

2022年度 理事長所信

第56代理事長佐々木 大祐

  • はじめに

    1967年に設立されて以来、まちづくりが好きで地域の賑わいに参加したい青年や、北荘内をよく知らない地元出身以外の青年まで巻き込み、誰にも負けない行動力で酒田青年会議所は地域を牽引して参りました。そこには大きな背中で汗をかき、全力で活動を続ける先輩に胸を打たれ、自分を奮い立たせ、苦しみながらも成長する「人は人で磨かれる」の精神が脈々と受け継がれてきました。人とのつながりでの学びこそがJCの最大の強みであり永久的に発展していくひとづくり団体を目指し56年を紡いでいきます。

     2020年に誰もが予想できなかったコロナの猛威。まちから賑わいが消え、戦後最低のGDP 成長率で日本経済を麻痺させ暗い話題が続いていましたが、ワクチン接種が進み感染者数の激減でようやく経済回復の兆しが見えてきました。コロナ前とは違い感染リスクを避け、都市集中型から地方分散型へ移行が進み、ますます地域の魅力を問われる時代が到来する中、自分たちのまちは自分たちで創り出す市民主導のまちづくりが必要です。

     「新日本の再建は我々青年の仕事である」と宣言して誕生した青年会議所運動の創始の想いを胸に、まずは我々が地域のために行動で示し、これからの明るい社会の実現に向けた一歩目を踏み出していかなくてはならない。いつの時代もその時の若者が道を切り拓いてきたように、明るい豊かな地域社会の実現は我々青年に責務があると感じています。

  • 想いが浸透する組織への変革

    JC しかない時代から JC もある時代になったと言われて久しくなり、我々の組織は以前より価値が低下してしまったのかもしれません。更に地域経済の悪化で会員の減少や、コロナ禍でも活動した会員、活動できなかった会員間の活動に対する情熱の差が生じています。全国的にもコロナの影響は否定できませんが原因はもっと根本的な部分に存在するのではないでしょうか。本来、JC は40歳までの青年限定の組織であり、特別な地位、性別、職業、時間等に左右されることなく理念に共感する誰もが参画できる組織でなければなりません。また、在籍している会員が仕事や家庭、そして JC 活動・運動に全力で取り組める土壌がある組織に改革する必要があります。理想的な組織の在り方とは、明確なビジョンが全会員に浸透し共感されながら多様性を認め、互いを尊重しあい、誰もが活動する意義を感じ、個々が輝くことができる組織です。そして、地域の課題を自ら見つけ、その課題解決のために努力し、私たちが起こす運動に地域から共感を得て応援され、地域との協働が生まれることで好循環を生み出し、会社、家族、外部から求められる組織であるとともに時代に即した柔軟で誰もが参画できる開放的な組織へと変革していきます。

  • 地方創生へ協働した活動

    酒田の人口は予想より早く2021年で10万人を切り、2040年の予想値は現在より約30%の人口減となる 7 万人という数字は地域にとって危機的な状況となっています。酒田市では2020年に「第2期酒田市まち・ひと・しごと創生総合戦略」が策定され地域で住みやすい環境を確保し将来にわたって活力ある地域社会を実現する目標となっており、人口減少の歯止めは地域全体の課題です。出生率が低下している現代において住民の死亡者数を出生者数が上回る「自然増」にするか、住民の転出数を転入数が上回る「社会増」にすることは言うまでもなく「若者の社会増」をいかに増やしていけるかが地域及び JC 会員の拡大への貢献だと思います。コロナ禍で経済的にマイナス要素が際立っていますが、その一方で感染リスクを避け県内就業を希望とする若者が増加傾向にあり、県内企業への興味が高まっていることが若者定着への大きなプラス要素です。市が掲げる総合戦略の人口政策の課題に対し当会議所が問題解決を図る活動・運動を展開していくことは今後の地方創生にとって極めて重要です。2021年度に実施した活動・運動をアップグレードし、今以上のステークホルダーと共にパートナーシップを結び、ローカルネットワークを活用できる私たち JC の強みを最大限活用した社会実験を通し、地域社会への意識変革を図るとともに事業を通じて得た結果を提言し、行政と市民で協働した Society5.0 に向けた地方創生を目指します。

  • 未来の人財への種蒔きと育成

    地域のシンボルを目指して運動展開してきた立て山鉾事業はコロナの猛威から酒田まつりの大幅な縮小に伴い、建設まで至らず、立て山鉾が日の目を浴びることはありませんでした。しかし、この2年で「立て山鉾の必要性」について議論を重ね、2022年度は当会議所だけでの判断ではなく、まつり実行委員会全体で決断していくことになりました。今後は当会議所が主体ではなく外部団体と協働し、文化を継承する方向となっています。そして私たちは未来の子どもたちへ、意識変革の種をまくための「運動」に尽力していきます。私は酒田JC に入会し、はじめて酒田まつりに参加しました。露店の数や宵祭り・本祭りの賑わい、なにより大人たちの熱量に圧倒され、もっと早くから酒田まつりに関わり体験したかったと感じました。

    「私達が幼少期に体験した郷土愛を育む経験や感動を今の子どもたちは感じているのだろうか」

    幼少期の子どもたちは心身の調和のとれた発達を通じ、社会を構成する主体として成長していく時期であり、様々な地域の人と交流をする中で、郷土愛を育み「基礎」を身につけさせていくことが必要であると考えます。私たちの創る未来を生きるのは今の子どもたちです。そして私たちが描いた未来を子どもたちが更に良きものにして、次の世代へとつなげていくことが持続可能なひとづくりです。未来の子どもたちが来年もまた関わっていきたいと想う意識変革の種をまく。それこそが明るい豊かな地域の「基礎」となります。

  • 第55回山形ブロック大会 酒田大会

    2022年7月に山形ブロック協議会の最大の発信の場であるブロック大会が酒田主管で開催されます。山形の同志が一同に集まり地域の魅力を発掘・新たな学びを得る機会であり、主管益を得る最大のチャンスです。近年、コロナの猛威から2020年高畠大会は縮小開催となり、2021年度ブロック大会運営委員会の出向者として臨んだ天童大会は大懇親会中止となり、主管側の描く最大化の開催が出来なかったことに、非常に悔しい想いをしました。2022年度は現地開催が可能という保証はどこにもありませんが、私たちは最後まで諦めずに同志の想いを汲み取り、会員の学びとなる盛大な大会にしていく必要があります。私たちは何事にも恐れず挑戦することを本筋として地域に対する「地域益」を最大限創出し、今後は山形県内16LOMが「地域益」を求めアグレッシブに主管を立候補しあう大会になるよう山形ブロック協議会とともに酒田大会を大成功に導き、次の新庄大会へとバトンを繋いでいきます。そして、この大会を契機に行政及び地域の諸団体と今まで以上に連携を強化し、JC 活動・運動に対する会員の意欲向上に寄与します。

  • 地域経済の創出とブランディング

    コロナの影響から地域コミュニティの希薄化に拍車がかかっております。様々な団体でのイベント中止が続き、JC でも例会・事業が中止となることがあり、学びの機会が失われています。人と人とのつながりが希薄化した場合、どのような問題が発生するのか。それは意思疎通ができなくなり共助が難しくなることです。今後、ますます人口減少が見込まれる時勢を鑑みると共助の精神なくして地域は成り立ちません。また、多くの地元企業が苦しみ、特に飲食店は厳しい環境での営業が続いています。2020年に実施した無利息融資などを使い、存続してきた企業も返済がスタートし、まだ業績が回復しない中、さらに厳しくなってくることが予想され、これから本格的に生き残るための独自戦略をとる必要性が高まっている状況です。地域の賑わいを回復させ、更には地域を活性化していきたいと願うものの、風評被害を恐れる理由から集客する事業に踏み出すことができないと嘆きの声が地域の中から聞こえてきます。私たちも同じ想いをもっています。そんな共通する想いがある今だからこそ、私たちが率先した行動をすることが多くの市民や団体から共感を得られるチャンスだと考えます。予断を許さない状況の中でも、私たちはまちの未来を想う「若者・馬鹿者・よそ者」で構成される「青年経済人」が集まる団体であり、諸先輩が紡いできた55年の「人との繋がりによる活動・運動の実績」これこそが独自のブランドだと考えます。当会議所の強み、他団体の強みをお互いに活かし、協働することで大きな経済活動を起こし、起爆剤となる一歩目を我々が踏み出すことで、当会議所のブランディングはさらに高まり地域になくてはならない共感される団体へと新化させます。

  • おわりに

    「おもしろき こともなき世を おもしろく」

    これは私自身が大事にしている信念であります。暗いニュースばかりが飛び交う状況下でも、「誰か」がではなく「自分」が強い意思を持って行動を起こすことで世の中は必ず明るくさせられる。まずは私たちが楽しみ成長していくことで自ずと組織に寄与し、その波及した結果がこの地域に住み暮らす方々に感動を与え地域全体が明るくなる。「この地域をより良くしていきたい。」

    この想いは地域企業、偉大なる先輩、行政、他団体、共に一致している目的だと私は思います。私一人ではなにもできない。相談できる、頼れる仲間がいるから地域に希望を描ける。さあ、共感の輪を広げ、協働で我がまちを盛り上げよう。

基本方針

一般社団法人酒田青年会議所 2022年度スローガン

我がまちを盛り上げろ!
~共感の輪を広げる~

一般社団法人酒田青年会議所 2022年度 基本方針

  • 1
    地域の
    活性化
  • 2
    未来の
    人財の
    育成
  • 3
    JCの
    強みを
    活かす
  • 4
    会員
    メリット
    の充実

一般社団法人酒田青年会議所 2022年度 事業計画

  1. 想いが浸透する組織への変革
  2. 地方創生へ協働した活動
  3. 未来の人財へ種蒔きと育成
  4. 第55回山形ブロック大会 酒田大会
  5. 地域経済の創出とブランディング