Road To Nowhere
「 人は誰でも生まれたときから、余命80年の不治の病を意っているのだ 」
誰の言葉であったか、この言葉を聴いたとき、生まれて初めて真剣に 「 自分の人生 」 というものを考えました。今までの人生はどうだったのか、これからの人生はどうなるのか。どうしていくべきなのか。
(社)酒田青年会議所は、43年という長き年月に渡り、数多くの先輩達がわが町酒田のために英知と情熱と勇気を注ぎ込むことで、様々な成果を挙げて来た団体であります。私自身も一メンバーとしてこの伝統ある団体の末席に加えて頂けることを誇りに思える実績があります。
しかし、決して良いとは言えない今の経済環境、社会環境のなかで我々(社)酒田青年会議所はこの町のために何が出来るのでしょう。どうしていくべきなのでしょう。酒田に生まれ、酒田に育ち、これからも酒田に暮らしていく我々は、自分の 「 余命 」 を何に使えばいいのでしょうか。
Love The One You're With
一昨年来の景気後退以降、暗さばかりが目立つニュースを見聞している子供たちは自分の将来の姿をどう想像しているのでしょうか。長年勤めた会社をあっさりとリストラされる姿でしょうか。それとも就職したくても出来ない所謂ニートとなっている姿なのでしょうか。あるいは希望を棄て犯罪に手を染めている姿なのでしょうか。
我々が子供のころ、日本中に地域社会が一つとなった教育システムが確立されていました。何か悪さをすれば親が、隣人が、先生が、見ず知らずの人までもが我々を叱ってくれました。また、良いこととされる行動をしたときにも同様に褒められた覚えがあります。それをおせっかいなどという人は誰も居ませんでした。
そうして我々は物事の善し悪しを体で覚え、反省をし、次に自分が何をすべきなのかを教えられてきました。そうして教えて頂いたことの一つ一つが人格形成上のエレメントとして我々には身に付いているはずです。
気が付けば我々もそれを地域社会の一員として「してもらう」年代ではなく 「 しなければならない 」 立場へと辿り着きました。
親子間、家庭間の関係ですら希薄になりつつある昨今、青少年の自信、自尊心、自己啓発心を育むことは我々に与えられた責務であり急務であると同時に、青少年育成事業は、それ自体が未来へ向けた地域社会の再生事業でもあり、我々自身の再学習の場となるのであります。
長年に渡って(社)酒田青年会議所が行ってきた様々な青少年育成事業の成果は着実に実を結んでいるものと考えておりますし、これからも継続していかなければならない大切な事業であると考えます。
我々はこれを更に推し進め、過去において行ってきた事業の有益怪を検証し、更なる効果を最大限発揮できるような手法をもって青少年育成事業を実行していきます。
Your Star Will Shine
この酒田の町では社会奉仕団体やNPO団体等が数多く活躍しています。
それぞれの団体の事業は、豊富な知識や技術を駆使した専門的なものであり、恥ずかしながら我々青年会議所が行う事業とはその各分野において内容の密度がまったく違うものであると認識しておりますし、その功績は尊敬に値するものであると考えます。
ならば、我々青年会議所が出来る奉仕活動とは何か?
独りよがりに自己満足的な事業を行うことではなく、市民の 「 公共心 」 を養い、様々な奉仕活動へ積極的に参画できる 「 礎 」 を作ることではないかと考えます。
より多くの市民の力と知恵を奉仕活動へと導くこと、その仲介役をするもっとも適役なのは間違いなく青年会議所であると確信しております。
「 私は教育系のボランティアがしたいんだけど、どこに行けばいいの ? 」
「 環境のために何かしたいのだけど、誰に相談すればいいの ? 」
人の役に立つために何かをしたい。こう考えている人は沢山居るはずです。
しかし、現状においては何か特殊なきっかけが無ければ、心に芽生えた「公共心」を生かし、実行に移すことは困難であると言わざるを得ません。見殺しにされている 「 公共心 」 がたくさんあるのです。
こういった現状を打破すべく、各方面、諸団体、行政との横の連携を深め、拡散している各団体の窓口を共通のものにし、協働関係を築くことで市民参画のハードルを下げることが「まちづくり」を標模している我々青年会議所の役割ではないかと考えます。
まずは我々自身がこの酒田に存在する様々な団体を知り、どんな事業を展開しているのかを調査し、理解することから始め、お互いの発展を望むべく形での連携を図るためにはどうするべきかを深く考え、実行に移して行きたいと考えます。
Stand
私は事ある毎に 「 会員拡大こそJC活動の真髄である 」 と発言してまいりました。ここ数年間会員拡大担当の立場で活動させて頂き、その中で私自身が学んだことや楽しかったこと、何よりも様々な人たちとの貴重な出会いがあったことが大きな要因であります。
しかし、全国的に見ても青年会議所のメンバー数は減少の一途を辿っております。少子高齢化の影響も少なからずありますが、何より青年会議所活動に対する理解の浅さ、これが一番重要かつ大きな原因ではないかと考えます。
我々が様々な事業を適して対外的に発信してきたことは、まだまだ広報不足です。これまで以上に青年会議所活動を理解して頂くためには、我々が行っている事業の正当性と公益性を自覚し、胸を張って様々な人達とコミュニケーションをとり続けることが必要であると考えます。
我々が自己研輩を積み重ね事業を行い、それを担保として市民の信頼と共感を得ることがすなわち青年会議所活動への理解を深めることに繋がっていくものだと確信致します。
その信頼と共感は同調してくれる仲間を必ずや引き連れてきてくれることでしょう。
青年会議所という看板を借りることで出来ること、逆に言えば青年会議所でなければ出来ない、体験できないことはたくさんあるのです。
(社)酒田青年会議所のこれまでの長い歴史の中で先輩たちが育んできたスキルもハウツーもノウハウも使い放題です。皆さん是非とも有効に利用、活用して下さい。
皆さんが体験し、経験し、成長し、培った力を社会へ還元していくことが、最良の 「 まちづくり 」 であり、最大の会員拡大ツールとなることでしょう。
40歳で卒業という限られた時間のなかで、同じ時間を共有し、酒田という町を一緒に作って行ける仲間を一人でも多く増やすことを目指し、会員拡大を重点目標として活動致して参ります。
Open My Eyes
あふれかえった情報という大洪水の中、マスメディアが流す暗いニュースにばかり心を奪われてしまい、本来私たちが持っているはずのたくましい生き抜く力を忘れてはなりません。
マスメディアから流れる情報、インターネット上に流れている膨大な情報全てが私たちにとって有益な真実であるとは限りません。私たちの勤労意欲や学習意欲を殺いでしまうネガティブな情報もあれば、我々市民の「総意」を作り出すための全くの嘘偽りである可能性もあるのです。
そんな現代社会においてメディアリテラシーと呼ばれる情報を選別、取捨選択するセンスを身に付けることの重要性は日に日に増すばかりです。
我々の知識というものは一体何を拠り所としているのでしょうか。
親や先生、先輩に教わったこと、新聞や本に書いてあったこと、テレビで見たこと、そして自分の目で見てきたことや経験してきたこと。これら様々なものを岨噂し、自分なりの判断をもって善し悪しの整理を付けた事柄の蓄積であると理解しています。この判断の基準こそがその人物の 「 資質 」 であり 「 性格 」 となるのでしょう。
「 知識をひけらかす 」 という言葉がありますが、それは決して客観的、普遍的に正しいものばかりではなく、自分が正しいと思っていることや主張したいこと、自分はこうありたいと思っていることを相手に伝える、言い換えれば 「 自分をひけらかす 」 ことではないでしょうか。
そこでわが町酒田を牽引していく決意を持つ我々JAYCEEは何をすべきか。それは絶対的な自信をもって 「 自分をひけらかす 」 ことができる人間になることではないかと考えます。
青年経済人として、一社会人として、地域社会の構成員として、家庭の一員として限りのない知識欲を持ち続け、自分の血肉とし、それを積極的に伝播していくことが必要なのです。その行為こそが我々青年会議所活動の根幹にあるひとづくりを推し進めていく最重要なものであると考えます。
我々がこれからも前進を続けるために、我々自身がより強く、賢く、責任をもって行動するための礎を強固にするために、時代に即した内部研修を積極的に行っていきたいと考えます。
Our Day Will Come
私が小学校へ入学する前の年、酒田大火がありました。家から避難するときに上空を飛びかっていた大量の火の粉の明るさと、初めて鎮火後の現場へ行ったとき、数日前まで生活していた場所が町ごと何も無くなってしまっていた光景は今でも鮮明に覚えています。子供ながらに 「 あの楽しかった町はどうなってしまうんだろう 」 と不安に駆られました。
しかし、その後一度も欠かすことなく酒田まつりは行われ、プレハブの仮店舗や仮住宅しかなかった町は見事に復興しました。昨年は酒田まつり創始400年祭という節目の年でもあり、我々酒田青年会議所が作り上げた20mの立て山鉾が話題をさらったのも記憶に新しいところです。401年目というモチベーションが途切れるような年目ではありますが、創始500年に向けたスタートの第一歩の年として、我々が今まで力をもらい続けてきた酒田まつりに継続参画していくことをお約束いたします。
日本海沿岸東北自動車道の整備に関して、ここ酒田の地から二十数年前に発信された日本海夕陽ラインネットワーク協議会が行ってきた地道な活動が、昨年酒田みなとICから遊佐ICまでの整備区間格上げという成果を導き出す大きな力となったことは疑う余地がありません。
一人の個人の力、一つの青年会議所の力には限りがあります。しかし、同じ志をもった仲間、同志と連携をとることでその可能性は何倍、何十倍にも膨れ上がるはずであり、今回のこの成果は、間違いなくその好例と言えます。
また、 「 縄張り 」 を越えた緊急医療体制や災害支援策など、少子高齢化や過疎化が進む地方都市においては、また違った意味での協力体制の確立は早急に解決していかなければならない命題であります。
先輩や我々が築いてきた人と人とのつながり。
同じ目的に向かって仲間と共有する時間。
その成果を共に喜ぶ幸せ。
まちのため、地域のため、ひいては我々自身のためにこれまで以上に広域にわたるネットワークを構築し続ける所存であります。
他方、社団法人格を持つ青年会議所は、規制緩和政策より派生する公益法人制度改革により今まで以上に厳格な公益性の追求が求められます。公益社団法人格を取得するための制度、手続きはもちろん、これまで行ってきた事業、これからの事業展開をもう一度根底から組み立て直す時がやってきました。いや、組み立て直さざるをえない時なのです。
このような現状だからこそ、出来ることは全て実行に移し、今までの実績や成果に騎ることなく見直すことは冷静に見直す。
この一年が、酒田青年会議所が標模するまちづくり、ひとづくり、組織づくりの基礎を再び固める年として、また事業を適してこのまちに住む人々の心に何か足跡を残し、いま以上の信頼を得るために活動する、そんな一年にしたいと考えます。
実践なければ証明されない。
証明なければ信用されない。
信用なければ尊敬されない。 ( 大山倍達 ) |