方針・組織図

2021年度 理事長所信

第55代理事長久木原 満

  • これまでからこれからへ

     2017年京都会議、当時の日本青年会議所、青木照護会頭の所信表明の冒頭部分を今でも忘れることができません。

     『もう既に現代という時代は終わりを告げ、世界は新しい時代、言わば新現代へと突入している。』

     それから3年、2020年は「COVID-19(新型コロナウィルス感染症)」の脅威が文字通り全世界を襲う幕開けとなりました。現時点で、予防薬も治療薬も無い感染症の脅威は、罹患(りかん)による重症化や死亡という身体への恐怖だけでなく、経済活動や働き方・暮らし方、ありとあらゆる社会生活に大きな影響を与え続けています。

     そして、2021年。

     この人類の歴史的厄災であるコロナ禍は、これまで社会が良くも悪くも許容してきた前提や当たり前を瞬く間に破壊し、強烈にニューノーマルへの変革を求めています。

     個人も、企業も、そして社会も「これまで」から「これから」へ。

    私たちの出番です。

     1967年の創立以来、当会議所はこの地域を「より良くしたい」という想いを紡ぎながら青年としての活動・運動を展開してきました。

     私たちが、「これまで」から「これから」への起点となり、活力となろう。タイムスタンプを押そう。今から変わると。

     この地域が明るい豊かな社会であるために、私たちがやるべきことを、あきらめず、妥協せず、勇気をもって。

  • JCを楽しむ

    〜感情交流と会員拡大・育成の仕組みづくり〜

     JCの価値とは何でしょうか。

    諸先輩から脈々と受け継がれてきた価値、そしてこれからも「変わらず」に受け継いでいかなければならない価値とは何でしょうか。

     私はその価値の1つとして、「機会の提供」という文化が重要であると考えています。

     JCに入会すると、様々な機会の提供があります。人前で発言する機会・まちやひとのことを考える機会・地域社会と連携する機会等、挙げれば限りがありませんが、JCの多くの価値は、この自らを高める機会の提供によって形成されてきました。

     そして、誰もが例外なく経験する最初の機会がJCへの入会という機会です。

    JCへの入会の機会は、これまで様々な形で地域の青年に提供されてきましたが、私はこの機会を、より多くの青年に対して提供したいと考えています。

     そのためには、必要なことを整えなければなりません。

     広報や私たちの活動や運動の情報発信も必要です。

     諸先輩・現役会員を問わず会員の候補者となる青年の情報交換も必要です。

     そして、JCへの入会という機会を掴んだ青年に対しては、即時、自己を啓発し成長の機会を提供することも必要です。

     必要なことは数多くありますが、これらを整理し仕組化することによって、私たちはこの地域の成長と発展の源泉となるJC活動・運動を次の時代に継承していかなければなりません。

     また、私たちが、新しい仲間と出会うために最も重要なことは会員個々が『JCに入会しませんか?』という最初の行動を起こせるかどうかです。

     その際に、とても大切なことは会員個々がJCを楽しんでいるかであると考えます。

     人は皆、良いものは人に勧めますし、悪いものは人に勧めたくありません。

     何をもって「楽しい」と感じるかは、これも会員個々によって異なるでしょうが、楽しさの根底にあるのは、JCは互いに切磋琢磨しながら自己を高めようとする場であるという前提と、それ故に私たちは助け合い・支え合う大切な仲間であるという意識を確認し合う感情の交流です。

     私たちは若く未熟です。だからこそ「まちづくり・ひとづくり」という教科書を共に携え、自己の成長を求めJCという最後の学び舎に集っています。

     会員個々の志を、相互に確認し合えるからこそJCは楽しいのです。この言わば、同じ釜の飯を食う仲間を同志と呼び、心の底から大切に思い合っているのです。

     そして、その団結は必ずや、私たちの住み暮らす地域の発展の活力になると確信しています。

     感情交流を大切にしながら、JCを楽しもう。

     新しい仲間にJCへの入会という機会を良く考え、幅広く提供しよう。

     そして、私たちは、まだ見ぬ仲間と出会う機会を手に入れ、共に自己を高めていこう。

  • 政治と経済について正しく学ぶ

    ~地域の未来を担う青少年とともに~

     大学生の頃に、同じサークルに所属していたアメリカ人留学生に『日本の若者は政治や経済ことを良く勉強していないと思う』という指摘をされたことがあります。
     『果たして本当にそうだろうか?』と思いながらも、当時、勉強と言えば受験勉強くらいしかしてこなかった私は反論することができなかったことを思い出します。
     わが国では、18歳選挙権を実現するために公職選挙法が改正され2016年6月から選挙権は20歳以上から18歳以上に引き下げられました。
     全104ページにも及ぶ高校生向け副教材『私たちが拓く日本の未来(総務省・文部科学省)』は、高校生に有権者として求める力を身に付けることも目的として制作されたもので、その内容は解説編・実践編・参考編の3部からなり、目的を達成するために様々な工夫がなされています。
     一方で私たちは、この高校生や次世代を対象にした言わば「主権者教育」の実態についてどれくらい理解しているでしょうか。
     参議院選挙における年代別投票率の推移(総務省)によれば、10歳代の選挙率は平成28年の初回で46.7%(全体平均54.7%)、令和元年の2回目で32.8%(全体平均48.8%)という低い水準に留まっています。
     18歳選挙権及び選挙率は一例に過ぎませんが、「選挙」という具体的な主権者行動の結果は重く受け止める必要があると考えます。
     また、日本経済は1998年よりデフレに突入し、経済は成長せず、今に至るまでデフレから脱却することができていません。経済の停滞と同じ文脈で、人口減少による経済規模の縮小や、赤字国債の発行による財政破綻等の論調が繰り返され、全世代、とりわけ若い世代に将来不安を想起させています。
     私はこの状態に疑問を感じざるを得ません。そもそも私たちは「経済」というものを正しく理解しているのでしょうか。例えば、国債とは一体何であるか、企業や家計の借金と全く異質なものであるという認識がどれくらいあるでしょうか。私たち大人世代の経済に対する認識不足や誤認が、知らず知らずのうちの次世代の成長の芽を摘む結果を招いていないでしょうか。
     『若い人たちは、政治や経済に関心がない。だから選挙にもいかない。』
     本当にそうでしょうか。
     私たちは、地域の青年経済人として、また親として大人として、この現実を放置してはいけないし、次世代への主権者教育とは、まさにまちづくりの当事者意識の醸成、まちづくりの担い手育成に他ならないのです。
     政治的な中立性を担保した上で、選挙の意義や投票権を行使するための知識を伝え、次世代とともに考え行動し、政治や経済を正しく学ぶ機会を通じて、次世代に政策リテラシーを身に付けさせる難しさから逃げてはならないのです。
     次の世代に「政治と経済」を正しく学ぶ機会を提供しよう。
     そのために、JCだからこそできることを恐れずに実施しよう。
     そして、まちのために自ら選択し、責任を持って行動できる青少年を育成しよう。

  • 経済発展と社会的課題の解決を両立する
    Society5.0への挑戦

    ~明るい豊かな社会を描き切ろう~

     『明るい豊かな社会を築き上げよう』
     JC宣言の後に続く綱領はその一言で締めくくられています。では、明るい豊かな社会とは、具体的にどのような状態なのでしょうか。
     酒田市総合計画(2018年→2027年版)はめざすまちの姿を『賑わいも暮らしやすさも共に創る公益のまち酒田』とし、めざすまちの姿の実現に向けて様々な成果指標を設けています。遊佐町総合発展計画においては、『オール遊佐の英知(町民力)を結集』を理念に掲げ6つの基本目標を設定し、それぞれに対応する基本計画を定めています。
     では、当会議所が「今」描く、この北庄内の「明るい豊かな社会」とはどんな姿でしょうか。
     行政や市民との意見交換やコラボレートを通じて、このことを具体的に描き切ることが、コロナ禍というニューノーマルへの変革が求められている時だからこそ必要であると考えます。
     Society5.0という考え方があります。
     内閣府の定義によれば『サイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会(Society)』ということになります。
     Society1.0『狩猟社会』、Society2.0『農耕社会』、Society3.0『工業社会』、Society4.0『情報化社会』という変遷を経て、Society5.0という新しい社会は、『経済の発展と社会的な課題の解決を両立する』という姿です。
     そして、その姿はIoTやAI、5G化、ロボット等の新技術の導入によって、より具体的なイメージを形成していくのです。
     私たちは、地域の経済の発展や社会の課題解決を「まちづくり・ひとづくり」というアプローチによって実現することを目指している団体でもあります。
     Society5.0のいう新しい社会は、新技術の導入だけでは実現しません。新しい技術は、経済の発展と社会の課題解決という「まちづくり・ひとづくり」へのアプローチ、即ち『こんなまちにしたい』という具体的な意思と行動が伴って初めて実現するのです。
     北庄内版のSociety5.0に挑戦しよう。
     コロナ禍のニューノーマルという変革のタイムスタンプを押そう。
     「明るい豊かな社会」勇気を出して、描き切ってみよう。

  • 文化の継承と定着

    ~文化という固有の価値を発信~

     2020年、新型コロナウィルスの猛威は『緊急事態宣言発令』という事態を招き、経済活動はおろか、伝統行事や祭等の地域固有の文化的な活動の多くが開催自粛に追い込まれました。
     しかし、私たちの住まうこの地域の伝統文化の1つである山王祭は、まさに新型コロナウィルスが猛威を振るう最中においても実施され、慶長14年からの歴史を途絶えさせることはありませんでした。
     このことから、私たちが「まちづくり・ひとづくり」という視座より学ぶことは何でしょうか。
     文化とは人や地域の営みの集合体であり、伝統文化とは地域に継承され定着し発展する文化です。私たち青年会議所は、文化にはその地域の特徴や独自性に根差すものが多く、まちづくりやひとづくりの源泉となる要素を含んでいると考え、酒田まつりや山鉾製作事業を継続事業として取り組んできました。
     文化の理解は、自分たちの地域の「過去と現在」「強みと弱み」を学ぶことであり、それは即ち、地域の未来を描く力を養うことに繋がります。
     つまり、酒田まつりや山鉾製作事業は、地域固有の文化の継承と定着を中心に据えた事業であり、まちやひと(市民)の未来像に密接に関わっている事業と言えるのです。
     文化には、地域固有の価値が含まれています。
    その「価値」をまちづくりやひとづくりに活かす。そのことを改めて真剣に考え直す時期がきています。
     諸先輩が展開されてきたこれまでの文化的な事業のアプローチは、酒田北前太鼓振興会、酒田獅の會、酒田きやり保存会、太鼓道場風の会という文化の担い手を誕生させてきました。
     そして近年では当会議所が「まつり塾」として展開してきた事業から湊零会が誕生し、地域に新しい価値を生み出そうとしています。
     今年で28年目を迎える山鉾事業は、地域にどのような価値を生み出していきたいのか。そのことを見極め、大胆に仮説を設定し、恐れずに本質を追求していく必要があります。
     文化の価値は、地域固有のまちづくり・ひとづくりの土台になります。
     「これまで」から「これから」へ前進しよう。
     文化の価値を、まずは地域にしっかりと発信しよう。

  • 山形ブロック大会IN酒田という機会

     2020年度の8月通常総会において、2022年度開催予定の山形ブロック大会への主管立候補が決定しました。
     2020年度は新型コロナウィルスの影響により、高畠大会の開催が事実上の中止となる異例の事態となり、2021年度開催予定となる天童大会はコロナ禍の中での準備を余儀なくされています。
     かつて山形ブロック協議会の会員大会として県内17青年会議所の交流と親睦を目的として開催されてきたブロック大会は、日本青年会議所の公益法人化を1つの契機とし、山形ブロック協議会が主管青年会議所と連携しながら、山形ブロック協議会の運動を発しする最大の機会として捉えられてきました。
     2022年度の山形ブロック大会の主管を予定する青年会議所として、そしてコロナ禍のニューノーマル、即ち「これまで」と「これから」を見据えた山形ブロック大会の実現を目指した準備をしていかなくてはなりません。
     そのために、当会議所ができることは2021年度の天童大会を「大成功」に導くことに他なりません。また、その動きと連動する形で、今年度と次年度の当会議所の組織が有機的に連携する枠組みも並行して準備しなければなりません。
     2021年度は、当会議所が一致団結して山形ブロック大会天童大会の成功にコミットしながら、翌年開催される酒田大会の方向性及び主管の意義・目的を明確にする必要があります。そして、真のゴールである「ブロック大会後」の地域の姿を、当会議所だけでなく行政及び地域の諸団体と連携し繋がりながら描いていきます。
     天童大会を大成功に導こう。
     そして、酒田大会の主管開催という機会を最大限に活かし
     会員・組織・地域を「より良く」発展させるための準備をしよう。

  • 感謝の想いを胸に「凛」として前進!!

     私は、2011年に当会議所に入会しましたが、いよいよ2021年度は現役会員としての最後の年を迎えます。
     最後の年を迎えるにあたり、これまでの青年会議所活動・運動を振り返りますと「感謝」の想いが溢れてきます。
     私に対して、多くの成長の機会を与えてくれた青年会議所への感謝。
     活動を共にした先輩・同期・後輩への感謝。
     時には厳しく、そして誰よりも強く優しく寄り添って頂いた諸先輩への感謝。
     そして、この青年会議所に送り出してくれた家族・職場への感謝。
    JC活動・運動ができることへの感謝の想いを胸に、そして、「凛として」覚悟を決めて、「前進」、物事を1mmでも前に進めよう。
    「時代は変革の時を迎えている」
     この言葉が、今ほど、現実のものとして感じられたことはなかったはずだ。今こそ、変化を恐れずに、挑戦し、変革を成し遂げよう。
    凛として前進。
    覚悟を決めて、「これまで」から「これから」に前進していこう!

    以上

基本方針

一般社団法人酒田青年会議所 2021年度スローガン

感謝の想いを胸に
「凛」として前進 !!

一般社団法人酒田青年会議所 2021年度 基本方針

  • 1
    アイデン
    ティティの
    自覚
  • 2
    正確な
    現状認識
  • 3
    大胆な
    仮説の
    設定
  • 4
    恐れずに
    本質を
    追求

一般社団法人酒田青年会議所2021年度事業計画(案)

  1. JCを楽しむ
    ※時代に柔軟な組織構築
  2. 政治と経済について正しく学ぶ
    ※地域を誇れる人財の育成
  3. 経済発展と社会的課題の解決を両立するSociety 5.0への挑戦
    ※持続可能な地域社会の実現
  4. 文化の継承と定着
    ※新たな価値の創造
  5. 第55回山形ブロック大会IN酒田に向けた準備
  6. 創立60周年に向けた課題の整理

組織図

※ 画像をクリックで拡大

年間スケジュール

※ 画像をクリックで拡大